それ以来、少しずつ状況が改善してようやく地域の自立の様子も見られるようになり、2020年の年末発行の会報にて2023年3月末での活動終了をお知らせしました。
しかし、2021年8月、タリバンが再び武力で政権を奪い、アフガニスタンと山の学校を取り巻く状況は一変。ポーランデ村にもタリバンが入ってきて学校を占拠。図書やコンピューターも破壊され、地域の人々の多くはカブールなどで避難生活を余儀なくされています。
そこで、当会は2023年度末の活動終了の予定を撤回し、タリバンが地域から撤退する日を見据えて活動を続けていくことにしました。女性の学ぶ権利を含む人権を奪い、ハザラやタジクなどの民族に対する弾圧・虐殺は後を絶たず、暴虐のかぎりを尽くすタリバン政権が長く続くとは思えません。いつかタリバンがポーランデがあるパンシール州から撤退し、地域の人々が戻ってくれば、破壊された家屋や学校の修復・再建が必要になるからです。
2022年8月、タリバンの要請で一部の教師が村に残る子どもたちを集めて学校を再開しましたが、今なお村にはタリバンが駐留し、校舎の前には土嚢が築かれています。いつ国民抵抗戦線との戦闘が始まるかわからない状況の中、タリバンが学校の子どもたちを楯に使う可能性が高いため、私たちはその先生方に授業の停止を求めています。勉学は取り戻せても命は取り戻せないからです。私たちは、人々がそれまでの生活を再開できる時が来るまで「地域と学校」を見守り続け、子どもたちが元気に通学し、自分たちの夢を育むことができる日がやってくる日まで活動を続けていきます。