皆様、お元気でしょうか。すっかりご無沙汰してしまいました。

私はいま、12月初めに刊行予定のシルクロード写真集「西域の貌」 (山と渓谷社)の追い込みにかかっています。いままで一番,大きなサ イズの写真集で、自分としては自信作です。ぜひ、一度、お目をお通しください。12月7日からの紀伊国屋画廊の写真展には何とか間に合う 予定です。

 5月に更新して以来で、何度かご覧になった方はがっかりされていた事だと思います。お許し下さい。

 まず、近況として報告したいのは、9月2日から開催された南仏ペルピ ニャンの国際フォトジャーナリズム祭に招待出品した「マスード  敗れざる魂」展の成功です(参考1:「ペルピニャン写真祭の紹介原稿」、参考2:「ペリピニャン写真祭でのインタビュー」)「その日本語訳」)。
 最初は30もの写真展の一つと何 となく軽く見ていたのですが、行ってみてビックリしました。私の会場 は市のシンボルともなっている400年の歴史を誇る古い建物(通常は 博物館)で、そこを独占して、私の写真展が行われていたのです。すぐ に会場を訪れると,長蛇の列。「きっとほかのイベントをやっているのだろう」と思って、そのまま通り過ぎ,事務局に行って初めて、「あれはあなたの写真展に並んでいる人。大成功よ」といわれて再度,訪れてみました。本当にたくさんの人で会場はいっぱい。本当にうれしくなり ました。
 人々は「マスードの写真はたくさん見てきたけど、こんな写真は初めて見た」「心が震えた」と話しかけてきました。入場者はフランスはもちろんですが、スペイン、ドイツ、オランダ、スエーデン、イタリアな ど本当に多彩な国籍の人々がきていました。初日で1400名、会期は19日まで続く、連日、多くの人が訪れてくれて,本当に感激しました。
 そして、なにより、この写真祭の規模に驚きました。18年で20万の人々が訪れ、毎年、写真家だけでも二千から三千の人が訪れるといいます。市の歴史的な建物−大聖堂や教会など−に30のプロ写真家の作品が、そして63のアマチュア写真家の作品が市内いたるところに飾られるのです。運営は市民のボランテイアによって成り立ち、すごい熱気です。  
 連日、招待写真家を交えたシンポジウムや夜には巨大スクリーンによ るスライドショーが行われます。特にスライドは世界各地のドキュメンタリーが20以上も上映され、定員500人の会場に人があふれ、急 遽,第二会場が作られるほどでした。 こんな大きな写真祭を知らなかった自分が恥ずかしくなるほどでした。 詳しくは10月20日発売のアサヒカメラ、あるいは11月始めの学芸欄には毎日新聞の学芸欄でもインタビュー記事が出る予定ですので、ご覧いただければ幸いです。
 
 写真祭から帰って、「山の学校」の総会が行われ、こちらも無事,盛 況のうちに終えることができました。 追って、ペルピニャンの写真祭の写真も登場させたいと思っています。 また、みなさまとどこかでお目にかかるのを楽しみにしています。お元気で!
                                                                                10月17日 長倉洋海

↓リンク先に会場の写真を表示します。

スライドショー
シンポジウムで
ショーの巨大スクリーン
写真展会場となった建物
写真展に並ぶ学生と私
会場の人々
マスード展の会場
大聖堂での写真展