日本、そして世界を震撼させているコロナウイルス。日本も感染国として各国に入国拒否される直前の2月中旬から下旬までハイチを取材してきました。その写真レポートをホームページ上で載せていますので御覧いただけたら幸いです(写真レポートはここをクリック)。帰国後、すぐに帰った北海道でしたが、直の帰省中、大雪に見舞われ、雪かきに追われていました。一週間で東京に戻ったのですが、こちらは20度近くの暑さ。その寒暖差が20度以上。体が変調をきたしそうですが、なんとかやっております。
 コロナのおかげでいくつかの講演やイベントは中止となりましたが、写真集の制作は順調に進んでいます。『女、美しくーわが旅の途上で』(A.T. オフィス)の印刷は、印書館の高蛯ウん、山口さんの強力で素晴らしい出来となりました。あとは25日の発売を待つばかりです。このあと、4月末になりますが、アリス館の写真絵本シリーズ(全5冊)の最終巻「さがす」の印刷が始まります。こちらも気合いを入れて臨みます。写真集は私にとって、わが子同然、なんとか無事に生まれてほしい。世に出たからには、まわりから喜ばれる存在になってほしいといつも本が出るたびに願っています。
 2019年、取材を重ねたネネツのトナカイ遊牧民、福音館の「たくさんのふしぎ」シリーズで「トナカイに生かされる」というタイトルで10月末の刊行が決まりました。今年はコロナ禍で海外取材が難しくなりそうなので、出版と執筆に力を注ぎたいと思います。前に進むばかりでなく、時には立ち止まって、歩いてきた道を振り返ることも、次の一歩への糧となります。そこから新たな飛躍へのヒントが生まれるかもしれません。
 今回、コロナウイルスで世界が今までの歩み方の転換を余儀なくされています。人間も時代も何かを契機に変化が生まれ、新しい道が見えてくるような気がします。私もうなだれるのではなく、前を向いて「その先の自分、その先の写真」を模索していきたいと思います。
 夏の商店塾について報告させていただきます。こんな時代状況でも参加したいという人がいる限り、夏期講座は開催するつもりです。
塾に限らず、皆様といつかどこかで、またお会いできるのを心より楽しみにしております。 お元気でお過ごしください。

                       3月16日 長倉洋海