学校に通う子どもたちもほぼ全員が制服姿になった。女の子は黒の長衣、男の子は青いシャツだ。新校舎に2階部分を増設し、図書館とコンピューター学習室ができた。地元の人たちの寄付を中心に、私たちの支援も加えて、12 台のコンピューター、大きなモニターテレビなどの機材が揃ったことは画期的だった。
高校に進学する子も、そのあと大学に進む子も増え、中にはインドやトルコに国費留学する子も現れた。危険地の警察官の仕事をして給与を貯め大学に進学後に下の町の高校の数学の教師になった卒業生もいる。何より嬉しかったのは大学で教師の資格を取り山の学校で教える女性教師が3 人も生まれたことだ。
新しい生徒も毎年、入学してくる。まだ小さな体で頼りなげに山道を歩いてくる姿に、支援を始めた頃の子どもたちの姿が重なる。この子たちもいつかアフガニスタンの再建に力を発揮するときがくる。その日が来るまで、亡くなったマスードやサフダルが見守ってくれるに違いない。