子どもたちの一日は家畜の世話から始まる。早朝、牛や羊を山の草原に連れて行き、家族と交代してから朝食をとり学校に向かう。収穫の繁忙期や家族が放牧に出れない時は、学校を休んで一日中、収穫作業や家畜に追われることもあった。
会は図書コーナーを拡充し、教師を増やし、発電機を使って教室に明かりを灯した。支援を始めて 5 年目の訪問で、サフダル校長から「山の学校がパンシール州で番の成績を収めた」と聞かされた。全く期待していなかったから本当に驚いたが、同時に喜びも湧いてきた。これも生徒たちの頑張りと、教員研修を受けに放課後に町まで通い続けてくれた先生たちのおかげだった。子どもたちも大きな励みになったに違いない。
訪問のたびに町でお菓子やジュースを首都から持参したが、子どもたちは毎年、それを楽しみにしていた。中でも、スイカ割りは大好評で、歓声が山間にこだました。
悲しいニュースもあった。山の学校を私に引き合わせてくれたサフダル校長が2010 年、ガンで亡くなったのだ。体調が悪い中でも、子どもたちに勉強を教えていた姿が忘れられない。