2002 年、最初に訪れた「山の学校」は石を積み上げただけの校舎で、教室には机もイスもなかった。扉のない入り口や窓ガラスが入っていない窓から寒風が吹き込んでいた。教科書も十分になかったが、子どもたちは地面に座り、ボロボロの黒板を見上げていた。その真剣な表情に、何かできないだろうかと思ったのが支援の始まりだった。翌年に再訪した折りに首都で机と椅子を注文。出来上がると学校に運び込んだ。搬入を手伝う子どもたちの表情はとても嬉しそうだった。
2004 年、日本で支援の会が結成されると毎年、子どもたちの元へ通った。サフダル校長の家に泊めてもらい、子どもたちが山道を駆け、激流を渡って登校する様子を撮った。ドッチボールやサッカーボール、バトミントン、縄跳びなどを持参し、世界を知って欲しいと職員室の一角には日本や首都から本を運び入れ、図書コーナーを開設した。未来への希望に胸を膨らませる子どもたちの姿は支援活動の原動力となった。