皆様、お元気でお過ごしのことと思います。
 私は4月初め、アフガニスタン「山の学校」訪問から帰ったばかりです。

 3月23日、新学期が始まる日、雪が降ったにもかかわらず、私が来たのを伝え聞いた子どもたちが、学校は休みとなったのに、雪の道を二時間かけて集まってくれました。子どもたちの「オマール、オマール」と懐かしがってくれる姿に心からうれしくなりました。小麦や灯油などが二倍近く値上がりし、生活は大変なはずですが、子どもたちは元気いっぱい。一週間ほどの短い滞在でしたが、たくさんのいい写真が撮れ、またさまざまなエピソードにも触れることができました。それについては山の学校支援の会の会報「翼」や10月12日の総会・報告会で詳しく報告したいと思います。

 閑話休題。今年はフリーランスのフォトジャーナリストになって30年、11月3日からは品川のキヤノンSタワーで「30years- 地を這うように」展を開催します。また、昨年9月、故郷・釧路芸術館で開催した315点を集めた大型写真展「微笑みの降る星」を東京の百貨店で開催する話も進行中です。出版としては写真展に間に合わせる形で写真集「シルクロードの子どもたち」「地を這うようにー30years」を出版すべく準備を進めています。

 取材は、日本各地の撮影と同時に、念願の北極圏でのイヌイットの人々の取材、探検部時代に訪れた南太平洋の環礁の島を訪問することなども考えています。 大変なスケジュールですが、無理のないように進めて行きたいなあと思います。通信社の写真部時代に、闇雲にシャッターを切り続ける私に、先輩が「長倉、いい写真は一枚でいいんだからな。一枚で」と言ってくれたのを思い出します。撮るべき物が見えていないからバシャバシャと撮るんだ、狙いを絞って、しっかり撮れと言いたかったのかも知れません。そんな言葉を噛み締めながら、今の時代に自分はどんなものを撮って行くべきなのかを自問自答しながら、これからも「地を這うように」旅を続けていきたいと思います。

 写真展の詳しい概要や期日、出版の時期などが決まったら、迅速にホームページにアップしていきたいと思います。これからも、よろしくお願いいたします。

                        2009年4月8日 長倉洋海