11月2日から10日ほどカンボジアを訪れた。目的地はアンコールワット。世界の多くの人々が一度は訪れたいと願っている場所だ。今までは「たくさんの人が訪れるところには行きたくたい」と思っていたが、私にとっても「やはり見たい場所」であることは間違いないので、意固地になるのではなく、「見たいと思った時に見てやろう」と思った。ただ、「他の人が撮れないような写真」を撮らなければと自分を言い聞かせながら、シェムリアップ国際空港におりた。この町がアンコールワットの玄関口だ。


早速、定番のアンコールワットの朝焼けに始まり、大勢の観光客に混じって寺院の中を歩く。壁に彫られた、たくさんの女神像や阿修羅、王たちの戦いを描いた壁面。一千年近くの時を超えて訴えかけている、圧倒的な、その存在感に打たれた。訪れるたびに、訪れる時間ごとに違う光りを浴びて、像も寺院もさまざまに異なる貌を見せてくれる。


4面観世音菩薩像

第一回廊と仏僧

ター・プロム寺の女神像

崩れ落ちた像たち

作家アンドレ・マルローが国外に持ち出そうとしたバンテアイ・スレイの「東洋のモナリザ」

朝の勤めに向かう少年僧

アンコールワットの大伽藍に座った仏僧

寺院だけでなく、少年僧や湖上の学校など興味深いものも撮ることができたカンボジア行。また、来年以降の印刷物で見てもらえればと思います。

                       2017年12月4日 長倉洋海