夏の暑さが過ぎたと思ったら、「秋」を感じることなくあっという間に寒くなってしまいました。皆様、いかがお過ごしでしょうか。
私は9月21日からの釧路市美術館のオープニングイベント(ワークーショップ、対談、講演)が終わった28日からアフリカ・チャドのボロロ遊牧民を訪れました。年一回開かれる祭り「ゲレウォール」を撮影するためでした。ボロロは国家に属さず、税も払いません。学校には行きません。パスポートを持たずカメルーン、ナイジェリア、中央アフリカ共和国などを移動します。モノを持つことが当たり前である現代で、何と潔いことか。祖先がたどったように「地球を静かに通り過ぎる」遊牧民の生き方に惹かれました。
そのアフリカから戻り、写真展終盤のイベント、三夜連続のスライドトークを終え、一ヶ月に及ぶ「地を駆ける」展が10月20日終了いたしました。この間、3905名もの入場者がありました。東京、秋田などからの遠来のお客さまはもちろん、高校生たちにもたくさん来ていただくことができました。阿寒からはアイヌ民族舞踏の踊り子さんたちがお祝いに駆けつけ、舞い、演奏してくださいました。中には、18歳になった隆太郎君の姿も。本当に懐かしくうれしく思いました。
私は間もなくメキシコに向かいます。この報告は次回の「近況」更新までお待ちください。11月15日から毎日新聞朝刊で毎週金曜日、六週連続で大型企画「その先の世界へ」が始まります(関東版のみの企画なのですが、一週遅れで毎日JP(毎日新聞のホームページ)でも掲載される予定です。この紙面にて、今年、訪れた各地域の写真と文章を掲載します。ぜひ、ご覧いただけると幸いです。
また、お会いできる日を楽しみにしております。
10月26日、誕生日に 長倉洋海