みなさま、お元気でお過ごしでしょうか。

  私は7月4日、スリランカの取材から帰りました。スリランカはとても熱く、戻った東京は暑かった、という印象です。現地では、アドレナリンを出しまくり撮影に夢中でしたが、東京は日常生活の場。ただ、猛暑にげんなりするばかりです。次に撮影に向かうパプアニューギアは撮影地が高原。東京よりも涼しいはずと待ち遠しく思っております。

 実はスリランカ訪問は13年ぶりです。その頃は「タミル・イーラム解放の虎」と政府軍との内戦が繰り広げられていましたから、市内のあちこちに土嚢が積み上げられ、緊張した兵士たちが警戒していました。7万人の死者を出した内戦もやっと4年前に終結。スリランカは仏教徒、ヒンズー、キリスト教、イスラム教が息づく「宗教の島」でもあります。いま人々は、どんな気持ちで祈りを捧げているのだろうか。その平和への想いを捉えたいとスリランカ各地を巡ってきました。仏教が初めてもたらされたミヒンターレの岩山、そして、タミル人の都で、激戦区でもあった北部の中心地ジャフナ・・。「死んだ者たちがいいところに行けますように」「家族が健康でありますように」、そして、「息子たちがもう戦いにもう巻きこまれないように」と願いを持ちながら、真摯に神に向き合おうとする人々の表情に出会いました。

 前回のアフガニスタンやトルコ、シリア難民。そして、これから撮影に向かうパプアニューギニア、メキシコなどを「新・地球人の貌」(仮題)として年末にまとめて発表するつもりです。また、その頃にお知らせをいたしますので、是非、ご覧いただければと思っています。

 9月21日から始まる釧路市美術館での写真展「地を駆ける」の各イベント詳細も今回の更新でお知らせいたします。秋は、日本らしからぬ「涼」につつまれた、私の故郷・釧路にて、皆様とお目にかかれるのを楽しみにしております。

                        2013年7月14日  長倉洋海