写真集『マスード』刊行のお知らせ
2021年6月8日


写真集『マスード』刊行のお知らせ

<完売しました>(8/21追記) 


 みなさま、お元気でお過ごしでしょうか。2021年もあっという間に6月になってしまいました。私は4月まで、マスード写真集の製作に力を注いでいました。マスードの長男が代表を務めるマスード財団から昨年末に「マスードが逝って20年、アフガニスタンの若い世代でマスードのことを知らない人が増えている。彼のことをもっと知ってもらえるような写真集を作りたいので協力してほしい」と依頼があったからです。私は喜んで応じることにしました。私が長く取材し、いまでも心の中で大きな存在であるマスードの写真を多くのアフガニスタンの人に見てもらえる機会だからです。

 こちらで編集を進めたペルシャ語と英語表記による写真集は左右28cm、天地27cm、216頁、ハードカバーでクロス装丁の大型本です。マスードの写真とじっくりと向き合えるレイアウトで、写真は年代順になっていますが、部分的に写真と彼の言葉を組み合わせ、彼の価値観や思想が見えるようにしています。ただ、制作費と運搬費の関係から印刷はトルコで行うことになり日本への搬入は難しくなりました。しかし、「この写真集をマスードのことを心にかけていた日本の方々にもぜひ見ていただきたい」という気持ちが膨らみ、日本語版の刊行をすることを決意いたしました。

 それならば、「いままでないマスード写真集」にしようと思いました。制作費にこだわらず、最高の一冊、私にとっての「至高の一冊」にすべく、紙は写真再現に独特の味わいがある高級紙ヴァンヌーボと決め、それに合わせて製版をし直し、最高の製版・印刷スタッフと最強のデザイナーとともに製作を進めております。内容はほぼペルシャ語版を踏襲しますが、表紙を作り直し、表記を日本語と英語としながら、マスードの印象的な言葉はペルシャ語でも表記するなど、様々な工夫を加えました。

 この写真集は一冊あたりのコストが高額になるため、書店での販売はせず、少部数の350部での製作とし、皆様から予約をいただき、その代金を製作費に充てるスタイルを取ることにしました。値段は送料込みで18000円。高いと思われるかもしれませんが、完売しても赤字です。それでも、私にとっての一世一代の大仕事、私のアフガニスタンとマスードへの想いをすべて注ぎこみました。写真集の完成は8月下旬、発送は9月からの予定です。

 ご予約方法は下記リンク先でご案内いたしますが、Eメールのみのお申し込みとなります。また、7月9日までご予約・お振込を完了された方には、ご希望を伺った上で、写真集にお名前を掲載したいと思っております。

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 写真集の中では、マスードはいまも生きているかのように思えます。そんな彼の姿が詰まったこの写真集には長男アフマドの希望で「マスードの日記」も収録されています。

 表紙はマスードが好きだったラピスラズリ(瑠璃)の色を表現しました。「青」は大空、そして宇宙へと広がっていく色。私にとっては「永遠」につながる色です。題字はペルシャ語による「マスード」。その銀色はヒンズークシの険峻の雪、空に浮かぶ月をイメージしています。

 この写真集が次代に読み継がれ、時を超え、人の記憶にいつまでも残っていくことを心より願いながら、刊行のお知らせとさせていただきます。 

2021年6月8日    長倉洋海

●お申し込み方法: 完売しました(8/21追記)

●チラシ(↓)をクリックすると拡大してご覧いただけます.。