アフガン情勢に関する緊急メッセージ
2021年9月17日


「緊急メッセージ13」

本日は、まずお詫びを申し上げます。
9/7投稿の「緊急メッセージ9」にて掲載いたしました、
『パンシールで撃ち落とされたパキスタン軍機』の画像につきまして、誤情報であることが判明いたしました。
この写真は、『2020年1月にパキスタン空軍機が墜落した際の写真』であり、Nawaiwaqt Groupというパキスタンの新聞社の記事写真になります。
訂正してお詫びし、投稿からは削除させていただきます。
日頃より「正確な情報」を心掛けているにも関わらず、本当に申し訳ございません。

この写真につきましては、誤情報の可能性があることが後日わかりましたが、その時点では、「誤りである」という情報と「真実である」という情報が錯綜しており、判断がつかず、またこの時点でパキスタン軍による攻撃は事実でありましたため、訂正をしておりませんでした。

今後はより一層、確かな情報を掲載するよう注意いたします。
このたびは、誠に申し訳ございませんでした。

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 この二日間、緊急メッセージを書かなかったのは、パンシール等での動きがなかったからではありません。その間、メディアが伝えなかっただけです。今日もタリバンの蛮行は続き、カブールでは若者がどこかへ連行されています。
 そうした中、Twitterでアフガニスタン女性の権利活動家のマハバウバさんが◯◯テレビのインタビューで、「世界よ、恥を知りなさい」と強い口調で言うのに心打たれました。その迫力は「祖国の現実」を憂うからこそのものだった思います。私も彼女のように「世界よ、黙っているのか。それでよく、民主主義国家だとか人権尊重と言えるものだ」と叫びたい気持ちでいっぱいです。
 「欧州議会がアフマド・マスードを招聘したいと言っている」というニュースが流れましたが、山岳部で抵抗を続けているアフマドがどうしたら行けるというのでしょう。話を聞くよりも、まずタリバンによる抑圧を止めさせ、食料を送り、医療団や調査団を派遣すべきです。
 また、タリバン内部での権力闘争で、最強硬派のハッカニネットワークが力を増していることが推測されています。
それでも世界は「宥和を」というのでしょうか。  

    2021年9月17日  長倉洋海



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「国連やEUなど世界の関係諸国に対し、彼らがアフガニスタンに対して行ったことについて、私は「恥を知れ!」と言いたい。なぜこのような仕打ちをアフガニスタンに対してするのか、私には理解できない。アフガニスタンを掌の上でもてあそんでいるのか。あなたたちには何の希望も抱けない。もう話したくもない。対話の時間は終わった。私たちはこれまでずっと話しかけ、要求し、懇願し、やれることはすべて行ったが、だれも注意を払わなかった。世界の権力者たちは、私たちが懸命に働いて築き上げてきたものをすべてを破壊した。今起きていることは、私たちを200年前の世界に戻すことだ。私の世代はこの国が良くなるのを見ずに去っていくが、若い世代はどうなるのか。彼らの多くは国を去っていく。その次の世代に対し、世界が再び馬鹿な決断をして私たちと国を破壊するのか。私はもう我慢できない。
今日、世界に向けて私の考えを述べる機会をもらえたことに感謝しているが、もう本当にうんざりだ。 」

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EU議会にて「アフマド・マスードを招聘したい」と語る場面

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タリバンがパンジシールで行っていること・・・

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パンジシール渓谷で、タリバンが国民抵抗戦線から奪ったヘリコプター。あっという間に壊した後で、戯れるタリバン兵。

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