「緊急メッセージ11」
一昨日、山の学校のサフダル校長(故人)の次男バーゼット(バルフ大学生)から「私たちは大丈夫です」とメールがきました。一家がパンシールから無事の出られたと知ってホッとしました。しかし、翌日には、「障害のある兄弟(3人)がいるので、とても困っている。状況が落ち着くまで外国に出られたらと願っている。何とか助けてもらえないか」というメールが来ました。多くの住民が逃げた後の空き家にタリバン兵が寝泊まりしています。そうしたタリバンの中でも、パキスタン人やアラブ人の兵士が特に残虐な行為を働いています。
<パンシールを脱出する人々>
<パキスタンから次々に入ってくる軍事車両>
昨日は、S N Sに「投降して捕まった抵抗戦線の兵士を射殺する映像が流れました。11歳から12歳くらいの少年を家族から引き離し、どこかの場所で監視下に置いているという情報も入っています。こうした人権抑圧、国際法違反が行われているのに、国連も西欧諸国も日本もそうしたことはあたかも存在しないように振る舞っていることに深い憤りを覚えます。そうした行いはいつが我が身に帰ってくる、と思うしかありません。
<西欧で抗議の声をあげる女の子>
カブールを初めとする都市部で、タリバンへの抗議デモが引き続き起きていますが、昨日はタリバン支持の女性デモがありました。強制されたのか自分の意思なのはわかりません。しかし、「ほら、タリバンを支持する女性もいるじゃないかと」という声が聞こえて来そうです。マスードの娘マリアンはtwitterで「私は彼女たちがどんな着衣をつけようと、それがどんなに極端なものであっても構わないと思う。ただ、ほかの人の自由や権利を迫害するのがいけないのです。彼女たちはほかの女性が声を上げられないという事実に目を向けていません」と批判しています。
<タリバンを支持する女性たちの集会>
21年前にマスードは「アフガニスタンの平和に関心を払わなかったら、平和を達成しようとするアフガニスタンの人々を助けなかったら、テロリズムは米国はほかの国々を必ずターゲットにしていくだろう」と世界に警告していました。
米国での多発テロを予言した言葉でもありましたが、それだけに止まらず世界の未来を予言しているのかもしれません、アフガニスタンでいま起きていることに関心を払わないということは、自分たちの問題にも関心を払えないということなのかもしれません。
2021年9月12日 長倉洋海
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