「今日のメッセージ 2023/1/8」
2023年という新たな年の初めに平和への思いを託したが、年が明けても変わらずタリバンの所業、その悪行の数々がSNSなどで報じられている。
それでもアフガニスタンの人々は諦めていない。女性たちが「私たちは諦めません。権利のために立ち上がります。これを誰も止められません」と声をあげている。
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「女の子であることはいけないことですか?学ぶことはいけないことですか。タリバンは私たちに勉強させまいとしていますが、家に閉じこもるのではなく、いろいろ学びたいのです。先生が、鉛筆が、ノートが恋しいです」と幼い子も動画で訴えている。
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中高で女生徒が登校を禁じられて470日になるが、アフガニスタン国際ニュースはインドのジャーナリストの言葉を取り上げ「タリバンの上級幹部が娘たち数十人をドーハ、カラチ、ペシャワールへ留学させている」と報じている。(ツイートを表示)
タリバンは女性から教育を取り上げるだけでなく、子どもたちの命も簡単に奪っている。パンシールでは試験の結果を受け取りに学校に向かった男子生徒3人がタリバンの車に押し込まれ、1人が転落、2人が体調を悪くしたという。現地のジャーナリストは「レイプしようとしたのではないか」と推測している。
下記のツイッターにはその事件を伝え、亡くなった子の写真を乗せている。遺体の写真なのでご注意ください。(ツイートを表示)
最近、とみに治安が悪化している首都カブールだが、誘拐犯が実はタリバン戦闘員だったと最大の日刊紙「Hashute Subh」が報じている。 (ツイートを表示)
また、タリバンが世界の過激派テロ組織21グループを招き入れ、彼らにタリバンがアフガン人としての身分証明書を発行していることは前に触れたが、それが明らかになったヘラート平和会議での詳しい発言内容を「ウェッブ・アフガン」が翻訳して、ホームページで紹介している。
また、BBCダリ語(ペルシャ語)は、タリバンが国内の数十の貿易商の事務所を閉鎖したことを伝えている。
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テロリストをアフガン人として認め、アフガン人から貿易による利便性を奪うタリバン。とてもアフガニスタン の統治者とは呼べないだろう。
国民には様々な形で恐怖心を与え異議を唱えさせない。その一つが公開での鞭打ちや絞首刑だ。
★「タリバンの法廷はどのようにしてむち打ちと報復の判決を下すのでしょうか?」という文言とともに投稿されたAmu TVのツイート。
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★「タリバンは、前政権の警察官であったモハマド・ハシムを絞首刑に処した。彼には 4人の子供がいます。」と動画を添付した投稿。
※公開での絞首刑の様子です。閲覧にご注意ください。(ツイートを表示)
タリバンは、「自分たちの価値観を認めない外国の援助機関の支援は、アフガン人は必要としていない」と述べている。それは価値観というほど立派なものではなく、神の道から外れた非道な行為そのものだが、彼らはそれが正しいことだと開き直り、他の人々に強要している。
こうしたタリバンの行いに、アフガニスタン国際ニュースは「ドイツのモスクのイマーム(指導者)がタリバンが望んでいるイスラムは私たちのイスラムではない”と発言した」と伝えている。
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アフガニスタンは、そして世界はどこへ向かうのか。それは決して楽観できるものではないだろう。それでも私たちは諦めない。冒頭の女性たちのように、希望を持ち続けることが未来への扉を押しひらく力となることを信じ、これからの時代を生き抜きたい。
2023年1月8日 長倉洋海
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