「今日のメッセージ 2021/10/25」
先週22日(金曜)には豪州マスード財団のオンラインセミナー「マスードの記憶」に参加、土日は長倉商店塾の集中講座がありメッセージをお休みさせていただいていました。しかし、その間もさまざまなことがアフガニスタンでは起きています。中には、あまりの凄惨さに言葉を失った映像がありました。タリバン兵が前政府軍兵士の首を落とし、持ち上げているものです(頭の部分はボカされています)。惨殺された後の死体をさらに銃で撃つ姿も写っており、それらを記念撮影したもののようです。ナンガルハール州でも処刑された男性が見つかりました。タリバンはISだと主張していますが、真偽のほどは定かではありません。裁判もなしに一方的に殺されたのは間違いなさそうです。
以下の二つは衝撃的なため見るのはご注意ください。
★※閲覧注意※政府軍兵士を惨殺するタリバン (Twitterより)
★※閲覧注意※勝手に処刑する (Twitterより)
★パスポートセンターで申請者に暴力を振るう (Twitterより)
こうした兵士を従えるタリバン上層部は、ロシアや米国などに「タリバンを承認しなければ(ISによる)テロがもっと増えるだろう。だから承認すべきだ」と恫喝に近い発言を行っています。いまだにテロを推奨しその実行犯を礼賛する人たちが、本当にテロ勢力が国外で活動しないと約束できるのでしょうか。それよりも、自分たちの兵士が行っている残虐行為や犯罪行為を止められない指導部とは一体なんなのでしょうか。ロシアで声高に認知を迫りながら、アフガニスタン国内では、最強硬派で実権を握りつつあるハッカーニ・ネットワークと、ムラー・バラダルのグループとの衝突が起き、大勢が負傷している映像が流されています。一本化されていないバラバラな集団と、世界各国は交渉することができるのでしょうか。交渉したとしても、その約束がきちんと実行される保証は何もありません。
★世界を恫喝するタリバン交渉団 (Twitterより)
★軟化の兆しを見せないタリバン (Yahoo - 時事通信)
★タリバンの内部抗争 (Twitterより)
国内では女性に教育と就業に機会を与えない状況は何も改善されていませんし、経済的には破綻状態が近づいています。ナン(パン)を求める人々が列をなし、人々は空腹を抱えています。
★タハール州。学校の看板が取り外される (Twitterより)
★パンを待つ人々 (Twitterより)
★ISが送電線を破壊、カブールが停電に。しかしそれは、タリバンも2ヶ月前にやっていたのと同じことだ (Yahoo - 時事通信)
★土地を自分たちの支持者に与えるために元来の居住者を追い出す
https://twitter.com/BBCYaldaHakim/status/1451476825717329948?s=20
★バンデ・アミールの湖上で遊ぶタリバン。銃を離さず、動物を撃ち、食べ物の料金も払わないという。(Yahoo - COURRIER Japon))
★苦境の孤児院 (ロイター)
★女性政治家の声 (Yahoo - 産経新聞)
★厳しい環境下、抵抗を続ける国民抵抗戦線 (Twitterより)
★アフマドの最新画像
人々を苦境に追い込みながら、それを気にする風もなく、自分たちの主張ばかりを叫ぶ輩に、国を統治する資格も力もありません。一刻も早く表舞台から退場し、彼らのやり方が許される場所があるなら、そこに戻り、引きこもってくれることを願うばかりです。
2021年10月25日 長倉洋海
■ 10/22に開催された豪州マスード財団主催のオンラインセミナー
『Portraits of Afghanistan: In Memory of Ahmad Shah Massoud』の動画が配信されています。
■ 『学校が大好きアクバルくん』(アリス館)の書評が載りました。
パンシールの山の学校に、元気いっぱいに通ってきていたアクバル君。タリバンによる権力掌握の直前に出版されました。
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