アフガン情勢に関するメッセージ
2021年10月11日


「今日のメッセージ 2021/10/11」

 マスードの長男アフマドは以前、「15以上の州で自由を愛する人々が抵抗戦線に加わり戦いに立ち上がろうとしています。彼らとは神への信頼で繋がっています」と声を上げた。彼は国民抵抗戦線(N R F)のリーダーとなったが、このようにも話している。
「私は父から、彼の考え方、彼の夢、そして価値観を継承しただけです。父マスードの夢と価値観を守り、追求します」

 
 最近、ソ連軍がパンシール渓谷に大攻勢をかけた時の写真をツイッターで見つけた。圧倒的な武力を持った近代的な軍隊に、貧しい武器しかないマスードたちが自分たちの尊厳を賭けて戦い、ついには撤退に追い込んだのだ。決して挫けることのない強い意志をアフマドは引き継いだ。


ただ、抵抗戦線は武力による勝利を目指しているわけではなく、彼らの目指す国づくりは明確に掲げている。その声明文を紹介する。

「国民抵抗戦線(NRF)はアフガニスタンにおいて社会的公正、平等、政治的・文化的多元性を確立し、女性の権利と人権を尊重して整合性のあるイスラムの復活と民主主義の尊重を目指します。多民族国家であるアフガニスタンで恒久的な平和を実現するために、政治システムの地方分権化と多文化主義を進めます。民族、性別、宗教の違いにかかわらずに平等に権力を分散することにより、すべての人がアイデンティを保ちつつ市民、そして人間としての権利を謳歌することにつながると考えるからです」

 一方のタリバンは人々の声を聞かず、武力で人々を脅し、食べ物を奪い、故郷から立ち退かせ、子どもたちや女性に苦難を強いています。アフガニスタンから届く映像を見るにつけ胸が塞がれる思いです。

<以下の4点の写真はツイッターから転載したものです>

<女性の抗議デモ↑>

<棺にすがる子どもたち↑>

<道路端に座り込んだ子どもたち↑>

<子どもたちが夢を絶たれて犠牲になっている↑>

 昨日もパンシールで、多数の人が埋められた現場が発見されました。地中から手が覗く写真に言葉がありませんでした。しかし、アフガニスタンは美しい国です。パンシールも素晴らしい光景にあふれています。そんな風景、そんな故郷を自分たちの手に取り返したいとタリバンに抵抗し戦う人たちがいます。
 アフガニスタンの人々、中でもパンシールの人々はたくましさを持っています。どんな状況からでも立ち上がり、再び、自分たちの町や村を再建するでしょう。その時には私も現地に出向いて一緒に喜びたいと思っています。その日は決して遠くないはずです。

2021年10月11日  長倉洋海


「美しいパンシール、芳しき故郷」(↓クリックで動画)


「民族と文化が交差するシルクロードの十字路アフガニスタン。
バラの香りに包まれた中央アジアの宝石」(↓クリックで動画)




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