「今日のメッセージ 2021/10/5」
昨日のB B Cニュース。子どもたちが無税のタバコやお茶などパキスタン側に届けるために、トラックに下に潜って密入国を繰り返している映像ニュースだった。それをタリバン兵は止めてないとレポーターが報じていた。
トラックに下に隠れて隣国に密輸品を運ぶ子どもたち(Yahoo - BBCニュース)
そのニュースを見ながら、私が出会った、たくさんの働く子どもたちのことを想った。40年前も、20年前も、今年も多くの子が家計を助けるために働いていた。それでも、そんな子を助ける人たちがいた。2001年、下町のレストランで食事をしていると顔見知りの子どもたちが入ってきた。路上で道行く人にお金を乞う子どもたちだった。椅子に座った子どもたちにショロワ・スープとナンが出された。お客が残したものをきれいに盛り付けて店の人が振舞っていると知って、心が温かくなった記憶がある。厳しい生活の中でも、貧者を思いやるイスラムの良き伝統があった。
今日は一枚のパンに群がる人々の写真がツイッターに投稿されていた。昨日は、3人の子を食べさせるために、赤ん坊を売りに出した母親がいた。一昨日は家族に食べさせるためにパンを盗んで処刑された父親がいた。
国境を決死の覚悟で通る抜ける子どもたちにタリバンは何かを施しているのだろうか。遊園地で遊ぶお金をめぐむ兵士はいるのだろうか。北のアンダローブでは、地域の人が4歳と5歳の罪のない子が殺されたと話した。カブールでは11歳の女の子が殺されたという投稿もあった。現在のアフガニスタンでは子どもたちは「風に舞って落ちていく木の葉のような存在でしかないのだろうか。
人々の生存を脅かし、人間そのものの存在を否定するタリバンがこのまま続くとは思えないし、それを許してはならないと私は強く思う。
2021年10月5日 長倉洋海
◆タリバンの無策により電力が止まる恐れが出ている (FOX NEWS)
<要旨: タリバン政権が中央アジアの電力会社への支払いや消費者からの集金を再開していないため、冬になると首都が暗闇に包まれる可能性がある。「この状況に対処しなければ、人道的な災害を引き落とす可能性が高い」と電力会社の責任者は述べている>
◆2001年、タリバンが首都から敗走した頃に、私が撮った働く子どもたち
(上の4枚 撮影:長倉洋海)
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