アフガン情勢に関する緊急メッセージ
2021年9月30日


「今日のメッセージ 2021/9/30」 

 カブール大学の総長が「全員にイスラム法遵守の環境を提供できない」として、女子学生の登校禁止を発表した。それに続いてタリバンから発令されたのは、女性の外出時の男(家族)の同行、そして、驚くべきことに女性のスマホの携帯禁止だった。

カブール大学総長がツイッターで発表 (Yahoo - cnn.co.jp)
女性の単独での外出禁止とスマホ携帯禁止 (Yahoo - 時事通信)

 いったい、タリバンは何を目指しているのか。これは、人々から目と耳も奪う行為。そればかりか口も噤めということなのだろう。
私は「アフガニスタン山の学校支援の会」のメンバーと、パンシール・ポーランデ地区の子どもたちがそれぞれの夢に羽ばたけるようにと、ささやかな支援を続けてきた。その学校も、攻め入ったタリバンの宿舎となり、子どもたちもカブールや山の中に逃れることになった。そればかりか、タリバンはすべての人々から未来に飛び立つ翼をもぎ取り、歩き、話すこと、音楽やスポーツなどの楽しみを奪い取ろうとしている。

 アフガニスタンの人々の置かれた状況に暗澹たる気持になるが、このような抑圧がいつまでも続くはずがないと思う。これまでにも伝えているとおり、タリバンの内部抗争についての情報がたびたび流れており、当初から言われていた「末端の戦闘員まで統率できていない」ことを、タリバン上層部も公にしている。

モハマド・ヤクーブ暫定国防相は演説で、戦闘員たちの風紀の緩みを激しく叱責
  (Yahoo - Newsweek)

 そして、日々抑圧と蛮行がエスカレートする中でも、闘い続けるNRF(国民抵抗戦線)に合流する人々や、アフガニスタン国内外の一般女性達も危険を承知で声を上げ続けている。

 タリバンの崩壊はもう始まっているのではないだろうか。そして、それを早めるのは、勇気を持って声を上げ続けている女性たちなのではないかと思えてならない。

     2021年9月30日   長倉洋海

★「インターポールよ、ガニを逮捕せよ」女性作家の叫び

★ 「タリバンはアフガニスタンの女性??からイスラムの権利を奪っている」と訴える、アフガニスタンの女性政治家(↓クリックで動画)


★ 中等/高等教育を受ける権利を拒否されたアフガニスタンの女の子のためのオンライン教育を促進(豪 マスード財団)


★子どもたちの夢や未来への翼が折られていく...


★新たに抵抗戦線に加わる人々もいる。闘いは続いている。(↓クリックで動画)




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