アフガン情勢に関する緊急メッセージ
2021年9月10日


「山の学校の最新情報」


 山の学校のそばに住むシャージア先生(卒業生で山の学校の教師)からの連絡がありました。昨夜、タリバンがポーランデに入ってきて、彼女の兄さんは銃を持って出たきり、戻ってこないというのです。お兄さんとは連絡がつかないようですが、村の周辺は静かだったようです。タリバンはポーランデ川最上流にヘリで降り、そこから下って彼女の集落までやってきたようです。
 ポーランデ地区のほとんどの家族はカブールに逃げたとのことでした。途中の道路は家族連れであれば通ることはできるようです。ただ、カブールにではなく、さらに上流、山の方に逃げた家族もいるようです。同じ集落のホラム先生や、その娘で学校の教師だったマリナも無事とのことでした。戦うと言っていたヤシン先生は家族とカブールに逃れることを決め、同僚のシャーミルザ先生もカブールに向かったようです。
 爆撃や銃撃などで傷つくケースがなかったようで、とりあえず、ホッとしています。戦闘が終わり、人々がパンシールに戻った時に、何らかの形で支援できる方法を考えたいと思います。怪我することなく、故郷に戻り、生活ができるようになることを心から祈るばかりです。
 抵抗戦線のリーダー、アフマド・マスードは山に逃れ抵抗を続けていますが、昨日、外国人記者と電話で話をしたようで無事なようです。しかし、世界は関心を示さず、主だった反タリバンのリーダーたちは国外に逃れたままです。それでも全国で女性たちが抗議の声をあげ、それを記録しようとするジャーナリストがいます。必死の思いで国外に届けられた声に耳を傾け、それを少しでもすくい上げていくことができたらと願っています。

2021年9月10日  長倉洋海

◆お知らせ◆
NHK ETV特集「アフガニスタン 運命の8月」
9月11日(土)午後11時より



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