みなさま、2011年も12月に入ろうとしております。どのような年の瀬をお過ごしでしょうか。前回の更新は8月初めで「アフガニスタン・山の学校」の訪問から戻った直後でした。それから4ヶ月が経ちます。いつも「出来るだけ更新をするように努めます」と宣言しながら、長い間隔になってしまい恐縮するばかりです。

 その間の活動をフォローさせていただくと、9月から被災三県の子どもたちを撮り始めました。NHK出版の企画で、震災を経験した子どもたちが書いた作文と私の写真を併せた本を作るためでした。すでに、福島県南相馬、岩手県宮古、宮城県仙台市の小学校と子どもたちの撮影を終え、あとは福島県いわきの写真を残すのみとなりました。来年2月末には「だけど、くじけない―子どもたちからの元気便」(仮題)が出版される予定です。写真展は2012年3月4日(日)から3月22日(木)にかけて新宿のコニカミノルタプラザで開催いたします。

 東北の子どもたちからは、私が出会ったアフガニスタン、エルサルバドル、コソボなどの子たちと変わらない側面を感じました。私と手をつなごうとする子、「肩揉みが得意なんだ」と肩をもんでくれる子、「ここで暮らしたらいいのに。ぼくの家に泊まってもいいよ」と言ってくれる子もいました。子どもたちの「あどけなさ」「純真さ」「一生懸命さ」を写真に写し込んできました。その子たちの書いた作文には、「ほかの人を思いやったり、人の助けに感謝する子どもたちの気持ち」があふれていました。仙台市の四年生の女の子は「(電気が止まったせいで)いつもより星がたくさん光っていて、この地震でどのくらいの命がなくなったのだろうと、思いました」と書いていました。

 私が感じた、子どもたちの明るさや元気さ。それを大人のせいで失わせてはいけないとも思います。前のような生活には戻るのではなく、まったく新しい地平を探し求めていくことが求められているのだとも思いました。

 今年は東日本大震災だけでなく、東南アジアのタイ、中米エルサルバドルなどでも大規模な洪水が起きるなど、世界各地で天候異変による災害が続いています。しかし、明るさが見えない中でも、写真だからできることがあるはずです。私たちの前を通り過ぎて行く情報や映像ではなく、心にいつまでも残り続ける写真、大切な何かを喚起してくれる写真を撮りたいと願いながら、2012年を迎えたいと思います。写真展の会場で、あるいは、講演会の会場で、みなさまとお会いできるのを楽しみにしております。

                           2011年11月30日

                               長倉洋海